ねこふんじゃった式の暗譜 鍵盤ばかり見ていると・・・
ブラインドタッチを習得できずにピアノの練習を続けている人は、いったいどのようにして暗譜をするのでしょうか?
① まず、楽譜にドとかミとかファとかフリガナのように書いていきます。
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② そして、それを少しずつ指の運動にかえていきます。
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③ その指の運動を小さい画像に変換して連続して脳に記憶していきます。
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④ そして、今度はその画像の連続の記憶をたどって鍵盤に指を置いていきます。
この方式の暗譜は最初のうちこそ、楽譜をみますが、あとは指の動きの画像の記憶だけをたよりに練習をして演奏をします。極端に言えばピアノの音も必要がない暗譜です。
「♪ねこふんじゃった」は楽譜を見たことないけど指のうごきで覚えますね。ここでは、こういう暗譜の仕方を仮にねこふんじゃった式暗譜と呼んでいます。
練習中に記憶が変容する、順番が入れ替わる。
曲を指の動きの連続の画像で覚えているものですから、時々記憶が変容します。
そもそも、練習の途中から楽譜など見ていないのですから、
楽譜に書いていないことも弾きますが、書いている音を飛ばすこともあります。 まちがって指の動きで覚えた曲は、レッスンで直すことが難しくなります。
音価を無視します、テンポを無視します。フレーズがつながっていません。 壊れかけのオルゴールのような曲になります。本人に悪意はありませんが 聴いている人からは、人格を疑われるような酷評をされます。
曲の途中から弾くことが出来ません。
楽譜を見ていないので、(指の動きの画像には休符の記憶がないので) 休符を無視するようになります。 小節の感覚はまずありません。
指のうごきの画像の記憶で対処できない曲、楽譜の音が大量にある場合は とたんに弾けなくなります。
先週さらったのと同じような程度の曲でも譜読みに苦労します。蓄積がありません。
ねこふんじゃった式暗譜の問題点② 先生も気づいていないかも
とりあえず練習してくるからオッケー?。
最初のうちは、ねこふんじゃった式暗譜でも曲が仕上がったら先生は気づきません。 ちょっと姿勢が悪いかな?程度のことであまり気になりません。
もう少し進むと弊害が出てきます。 休符を無視する、テンポが一定に取れないなどに気づきます。 それでも、「この子はちょっとセンスが悪いのかな?」などと思います。
さらに、もう少し症状が進むと曲をさらってこなくなります。 というより曲をさらうことがねこふんじゃった方式ではもう出来ないのです。
その他の科目の学習能力が劣っているわけでもないのに、ピアノが苦手になります。
ここまで症状が進むと、生徒はとても音楽的にピアノの演奏をすることなどは出来ないので、 「私には初めから才能がなかったんだ!」と絶望してピアノの学習をあきらめてしまいます。
でも本当は、才能うんぬんではなく、それ以前の段階の単なる習慣の話が原因なのでした。 せっかく希望をもってピアノを始めたのに・・・とても悲しいことです。
ピアノのレッスンではパッとしなかった生徒が ブラスバンドをはじめて管楽器で活躍することがあります。
管楽器では、楽譜を見て練習するしか方法がありません。 フルートをガチ見して演奏しようとするとヒラメになるしかありません。そこから音楽的な表現ができるようになってピアノにもいい影響がでることはよくあります。